冬の剪定を終えた後、春の作業は摘蕾(てきらい)から始まります。
昨年作った桃の春夏秋冬でもご紹介しましたが2002年の画像を元に
更に詳しく作業の目的と手順についてご説明致します。


  目的

桃の一枝には何十個もの蕾がつきます。最終的には一枝に1〜2個着果させるだけですので摘蕾、摘果を通じて適正な着果数を確保します。また、前年の貯蔵養分(桃の木に、光合成によって翌年の開花のために蓄えられた養分等)の浪費を防ぎ、葉芽(新鞘)の初期成育を促し、健全な樹体の維持と最終果実の肥大を促進させるという目的があります。


  手順

果樹作業用手袋

手の甲側はメッシュ。手のひら側にはウレタン樹脂がコーティングしてある。
薄手で素手の感触に近く、指先を使う細かな作業に便利。
「スデタッチ」くんと申します。

桃は枝の中心付近に下向きの実を残しますので、枝の上側と先端と根元の蕾は落とします。長・中果枝は手のひらで軽く擦るようにし、短果枝は摘み取ったり掻いたりします。
摘蕾の程度は理想的には75%位。
この時、注意しなければならないことは
葉芽(葉っぱになる芽)を掻かないようにすることです。

左の画像は上の画像より進んだ状態ですので、葉芽も大きくなっていますが、早い時期には葉芽も小さいのであまり気になりません。

摘蕾前 摘蕾後
こちらはリフトに乗って摘蕾をしている様子です。

桃の花見をするのには多い方がよいのでしょうが、そうも言ってはいられません。

それにしてもよい天気の時は眠くなります。


  備考

桃は花粉の多い品種と少ない品種、まったく無い品種があります。
後者の場合は、摘蕾を極軽くするか省くことも出来ます。(花見に適します)(^o^)

その代わり、人工受粉によって着果を促します。(人工受粉については次項で)
よくしたもので、花粉の無い品種は多い品種よりも遅く咲きます。



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