大繁盛の様子
殊に土日、祭日は行列ができるほどの賑わいでした。
当初、お店は番号札を渡し、全てセルフサービスで行なう予定でした。
しかし、気の良い彼女達は「○番さ〜ん」と呼びつける事が出来ず、結局最後まで自分達で運んだり片付けたりとなりました。時にはおばあちゃんから「お茶を下さい」と言われ、セルフのつもりで用意していたお茶も「お待たせしました」とか言ってサービスしました。
いろんなお客様が見えました。
ある日の事、一見して明らかにその筋の方がいらっしゃったそうです。数人の手下を連れて・・・。
親指に包帯をグルグル巻きにした(今は小指でなく親指が主流だそうです)手下さんが親分のおしぼりを要求。
当日、フロア担当のY江さん・「お、おしぼり・・・ですか。少々お待ちください」
おしぼりの用意はしてないお店でしたが、厨房に飛び込んでんで慌てて新しい布巾を持っていったりしました。(笑)
手下さんは更に灰皿を要求。しかしY江さん、
「禁煙です!・・・(きっぱり)。喫煙席は外のベランダになっております。さぶいけど・・・。」
エライ!!日頃からとにかく真面目なY江さん、筋は通します。
親分さんは黙ってうどんをすすり、和菓子を食べて帰ったそうです。(親分もエライじゃないかぁ)
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あんまんと肉まん
蒸し器にあんまんと肉まんをどういう割合で何個づつ用意しておくかが結構難しい。
気前の良いあねさんと堅実だがキレやすいS子さんはいつもこの件でバトルを繰り広げる。
特に3時過ぎが難しい。基本的に残せないからだ。
あねさん・「今日は日曜でもう少しお客さん入りそうだから肉まん足しとこうよ」
S子さん・「ダメ駄目!3時過ぎればどうせ売れないんだから」
あねさん・「入れとけってば!」
S子さん・「だめだったら!(▼▼♯)
とそこへ・・・「肉まん5個くださ〜〜い」
S子さん・「(/||| ̄▽)/ゲッ!!!・・・た、足りない」
あねさん・「だっから言ったじゃん!d( ̄▽ ̄)ノオーホホホ。」
更にこの二人、あんまんの餡子はこし餡か、つぶ餡かでお互い譲らない・・・。
あねさん・「あんまんの餡はこし餡が正統!」
S子さん・「つぶ餡のほうがゼッタイ美味しいもん!」
《・・・・どっちでもいいじゃねえか〜〜。好みの問題だろう。。。なんなら半分ずつ入れて、どっちにしますかって聞いて出したらどうだ。(他人事の俺・・辛党)》
どっちもご主人はお勤めで、普段から農作業を二人で手伝い合ってますから殆んど兄弟喧嘩か夫婦喧嘩みたいなもんなのですが。
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手作り
お店のモットーの一つに『手作り』があります。
お赤飯、山菜おこわ、いなり寿司など、手作りでパック詰め販売。これが結構、人気だったそうです。
ちゃんと重さを計って・・・。Y子ちゃんは、最後に余ると量をサービスする・・・なんてことはせず、いつも嬉しそうに食べてしまいます。
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お焼きも和菓子も手作りです。右はカボチャを使った焼き団子。餡子を添えて出来上がり。
『手作り』の師匠は言わずと知れたあねさんです。口も達者だが、手はもっと達者らしい。
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お茶
忙しい日ばかりではありません。暇な日もたま〜にはあります。(しつこいようですが、たま〜〜に、です)
そういう時はお決まりの「お茶」と「井戸端会議」が始まります。でも、決して商品など口にしません。(もったいないから)お客さんに出した紅茶のティーパックをためておいて出涸らし紅茶を飲んだり、時間が経ってしまって、お客さんに出せない作り置きのコーヒーを飲みます。
会計係りのY江さんはしっかり者で、経費節減に関してはかなり厳しい人。彼女が当番の日は食材だけでなく、電気・ガス・水道の節約にも皆、神経をとがらせます。
でもこの間、Y江さんがいない日、内緒で出来たてのコーヒーをお茶してしまったそうです。(Y江さん、許してやってね。) |
お墨付き
そうそう、大事なものをお見せするのを忘れていました。営業許可証です。当たり前ですが、ちゃんと取得してあります。(なんだか意外な気もしますが・・・) |
最後の晩餐
46日間の営業を経て、いよいよ閉店の日を迎えました。閉店後、お店の残り物で簡単な慰労会。苦労話、失敗談も今は笑い話になっていい思い出に・・・。
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閉店
きれいに飾り付けられていた店内もさっぱり片付いて、「発つ鳥後を濁さず」といった感です。
なんだかフロア-全体が寂しがっているように見えます。
でも、もっと寂しく思っているのは・・・・。
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